コラム

ゲーミフィケーションを人材育成に取り入れるには?事例を交えて紹介

数年前からマーケティングをはじめとして、さまざまな分野で取り入れられているゲーミフィケーション。事例とともに、ゲーミフィケーションとは何か、それを採用や人材育成に生かすメリットなどを紹介しましょう。

ゲーミフィケーションとは何か?

ゲーミフィケーションとは、「Gamify=ゲーム化する」という単語の名詞形で、ゲームの要素を、遊びとは関係のない分野に取り入れることです。

ゲームには、プレイする人のモチベーションをあげたり、遊び心や勝ち負けへのこだわりを持たせたりする仕掛けがちりばめられています。

これまでどのような分野で取り入れられていたのでしょうか?
いくつか事例を見てみましょう。

オバマ大統領の選挙戦を成功に導いたWEBサイト

元アメリカ大統領、バラク・オバマ氏は、選挙用のメディア「マイバラクオバマ・ドットコム」にゲーミフィケーションを取り入れました。
ソーシャルメディアとゲームを絡ませた独自サイトで、個人の活動によってサイト内でのレベルがアップしていくという仕掛けが盛り込まれていたのです。

オバマ氏を支援する人はサイトにアクセスし、会員登録をします。その後、選挙キャンペーンにつながるアクションをするたびにポイントが付与され、サイト内におけるレベルが上がるという仕組みです。
この「マイバラクオバマ・ドットコム」サイトの盛り上がりにより、オバマ陣営は多くの選挙資金を獲得。結果として選挙戦を勝利に導くことができたといわれています。

BtoCのコンテンツ・アプリにゲーミフィケーションを活用

アメリカの投資信託会社フィデリティでは、消費者向けのコンテンツ・アプリケーションにゲーミフィケーションを取り入れています。

投資は、元手となるお金だけでなく、さまざまな知識も必要です。そのため、投資主を教育するためのアプリにゲーミフィケーションを取り入れ、教育効果を高めようと試みました。

「ビート・ザ・ベンチマーク」は、投資を考えていたり、始めたばかりだったりする人へ向けた教育アプリ。投資にまつわるさまざまな知識を学ぶためのツールとなっています。

人材育成や採用の現場に広がるゲーミフィケーション

プレイヤー(参加者)を活性化させるゲーミフィケーション。自社の人材育成や採用分野に活用する会社も出てきています。どんな会社がどのように取り入れているのでしょうか。

社員の安全配慮への浸透性をアップさせたウォルマート

アメリカのアーカンソー州に本部を置く世界最大のスーパーマーケット「ウォルマート」。

流通がカギを握るこの業界において、ウォルマートでは配送センターの安全訓練にゲーミフィケーションを導入しています。
この結果、インシデント(日本でいうヒヤリハット)が54%減少。ゲーム性のある訓練により、社員の安全意識の向上に効果があったそうです。

ゲームによる入社体験で業務プロセスが学べるロレアル

全世界に販売網を持つフランスの大手化粧品メーカー「ロレアル」では、主に大学生にむけて独自のオンラインゲームを公開しています。
内容は、ロレアルに入社したかのような疑似体験ができるもので、新商品開発や広告など業務プロセスを学べます。

目的としては、人材の発掘、学生に化粧品業界への興味を抱かせるというものですが、ゲームそのものがビジネスコンテスト形式になっており、2016年には58か国、15,000人が参加したそうです。

ゲーミフィケーションを導入するメリットは積極性や自発性を促せる点

ゲーミフィケーションのメリットとして、積極的、自発的な行動を促せることがあげられます。 例えば、ポイントやバッジの進呈など、ゲームで得られるかのような褒賞は、「欲しい」「集めたい」という気持ちを誘発します。
そのため、対象者の行動を継続させ、モチベーションを維持するための仕掛けとして有効です。
特に、興味関心が薄くなりがちな分野において、効果を発揮する手法であるといえるでしょう。

人材育成にこそ取り入れたいゲーミフィケーション

また、ゲーミフィケーションには、単調で無味乾燥になりがちなシチュエーションをドラマチックに演出する働きもあります。

特に人材育成においては、学ぶ側の積極性、自発性、モチベーションが重要であり、ゲーミフィケーションがもたらすメリットと合致します。

あなたの会社にも、人材育成の現場にゲーミフィケーションを取り入れてみませんか?
これまでの人材育成手法に行き詰った感覚があるなら、ゲーミフィケーションは有効に機能してくれるはずです。