コラム

eラーニングの成功事例|導入効果や注意点、サービスを選ぶポイント

近年は多くの業界・業種で人材育成にeラーニングが活用されています。従来の研修方法からeラーニングへ移行したり、あるいはeラーニングと他の研修方法を組み合わせたりすることで、効率的かつ効果的に研修を実施できる可能性があります。研修の業務効率化やコスト削減を実現するために、現状の研修内容を見直してみてはいかがでしょうか。

本記事では、eラーニングの導入事例12選をご紹介します。また、eラーニングの導入効果や注意点、サービスの選び方などにも触れますので、ぜひ参考にしてみてください。

eラーニングとは?

初めに、eラーニングの基礎知識を改めて確認します。eラーニングとは、インターネットを通じて行う学習のことを指します。受講者がIT端末から専用システムにアクセスして自主的に学ぶ仕組みとなっています。そのため、時間や場所にとらわれず、自分のペースで学習できるのがメリットです。eラーニングの教材制作やコンテンツ配信は、一般的に学習管理システム(LMS)を用いて行われます。

eラーニングの導入事例12選

ここでは、さまざまな業界でeラーニングを導入した企業の事例をもとに、eラーニングによって期待できる効果を見ていきます。社員研修をeラーニングで実施することで、人材育成におけるどのような課題を解決へ導けるのか、改めて確認してみましょう。

サービス業

【1】コンタクトセンターのeラーニング導入事例 あるコンタクトセンターでは、eラーニングによってカスタマーサポートスタッフの研修を効率化する取り組みを行っています。現場で顧客対応に携わるスタッフの研修をeラーニングで実施することで、全拠点で一斉に社員教育を推進し、組織全体のスキルアップを図っています。また、eラーニングシステムで学習者の進捗状況や理解度を一元管理することで、教育担当者が指導やフォローを的確に行いやすくなり、顧客対応品質の底上げにつながっています。

【2】人材派遣サービスのeラーニング導入事例

ある人材派遣サービスの企業では、派遣登録者のキャリアアップ講習にeラーニングを活用しています。eラーニングでキャリアアップ講習を実施すると、派遣登録者がスキマ時間を利用して自身のペースで学習するため、派遣登録者の利便性が高まり、サービスの満足度向上につながっています。メール通知で講座の視聴を促して進捗状況を改善するなど、オンラインの支援体制も構築しています。

教育業

【3】学校法人のeラーニング導入事例

eラーニングはビジネスシーンに限らず、教育現場でも導入されています。ある学校法人では、学生ごとの習熟度の差をカバーする目的でeラーニングを活用する取り組みが始まっています。eラーニングの学習教材を提供することで、学生が自身の理解度に応じて予習・復習に取り組めます。教職員が個別に学生へ対応する工数を削減しながら、学校全体の学力を向上させることにも貢献しています。さらに、学習教材のオンライン化によって紙が不要になると、印刷のコストも削減できています。

【4】企業研修サービスのeラーニング導入事例

企業向けの研修サービスを提供している企業の中では、従来の集合研修とeラーニングを組み合わせて提供する取り組みが始まっています。ある企業では、集合研修の会場にタブレット端末を設置することで、研修で配布する資料や受講中のメモなどをペーパーレス化したり、受講後の質疑応答やアンケートをスムーズに実施したりしています。また、受講者の学習履歴を分析して受講する研修を最適化するなど、人材育成の分野におけるデータ活用も進んでいます。

製造業

【5】自動車業界のeラーニング導入事例

自動車業界では、自動車の整備をはじめとした専門的なスキルの習得にeラーニングを導入する取り組みを始めている企業もあります。技術者を育成するには、現場でのOJTによる実習が不可欠ですが、その一方で、実習による技術の習得と併せて、eラーニングによる自主学習で知識を習得させることで、スタッフのスキル向上を促進しています。eラーニングシステムで受講者の管理を効率化できており、現場の管理者の負担軽減につながっています。

【6】産業機器業界のeラーニング導入事例

産業機器業界のある企業では、技術職の研修にeラーニングを導入する取り組みが始まっています。技術職には高度な知識や技術が求められる一方、日常業務では国内外への出張が多く、研修のスケジュール調整が難しいケースが少なくありません。eラーニングでは時間と場所を問わずに学習できるため、多忙な技術職の研修を柔軟に実施できています。また、確認テストの結果に応じて修了証明書を発行することで、一定のスキルがあることを客観的に証明できます。

【7】医療機器業界のeラーニング導入事例

医療機器業界では、グローバル企業を含め多数の拠点における研修にeラーニングを導入する取り組みが始まっています。ある企業では、国内外の拠点で精密機器の開発や製造に関わる専門スキルを習得させる際、eラーニングを活用することで、各拠点に研修講師を派遣するコストを大幅に削減しています。また、海外拠点や外国人労働者の研修などで多言語対応のニーズがある場合は、複数言語でコンテンツを提供する対応も可能です。

【8】エネルギー業界のeラーニング導入事例

エネルギー業界では、eラーニングの導入により店舗スタッフの商品知識や顧客対応スキルを向上させる取り組みが始まっています。例えば、地域で多数のガソリンスタンドを運営する企業では、eラーニングの活用により各店舗の研修を一括で管理しています。eラーニングは全店舗へ均一な研修を実施できるため、一定の水準で商品の提案や顧客対応ができるスタッフを育成できます。また、研修の一元化によって店舗管理者の負担軽減にもつながります。

飲食業

【9】ファミリーレストランのeラーニング導入事例

あるファミリーレストランでは、スキルアップをめざす店舗スタッフ向けに自主学習用のeラーニングコンテンツを提供する取り組みを行っています。近年は外食産業で外国人労働者の活躍が広がっており、多言語対応のeラーニングコンテンツによる人材育成の効率化が期待されています。スタッフの接客レベルに応じたコンテンツを提供することで、クレーム対応やイレギュラーな顧客対応のような難易度の高い接客スキルの習得につながっています。

【10】和食チェーン店のeラーニング導入事例

ある和食チェーン店では、eラーニングを活用して全店舗のスタッフ教育の進捗状況を本部で一元管理しています。スタッフごと・店舗ごとの進捗データを分析することで、成績が優秀な店舗が可視化される仕組みです。さらには、優秀な店舗のスタッフ教育のノウハウをその他の店舗へ共有することで、チェーン全体での人材育成業務を改善しています。eラーニングのコンテンツは即座に追加・修正に対応できるため、業務マニュアルの変更内容を全店舗へ素早く共有する場面でも役立っています。

流通・小売業

【11】スーパーマーケットのeラーニング導入事例

あるスーパーマーケットでは、eラーニングによって多様な勤務形態のスタッフへ平等に研修の機会を提供する取り組みを行っています。時間や場所を問わずに受講できるeラーニングのため、勤務時間に制約があるパートタイム労働者に対しても、満遍なく研修を実施できています。また、eラーニングコンテンツで新人教育を支援することで、現場の担当者の工数削減の実現にもつながっています。紙のマニュアルとは異なり、動画を用いて複雑な作業内容を効果的に学べる点もポイントです。

【12】カー用品店のeラーニング導入事例

あるカー用品店では、スタッフが楽しみながら学べるeラーニングコンテンツによって、意欲的に学べる研修へと改善する取り組みが始まっています。eラーニングの動画教材は、親しみやすいアニメーションなどの形式を採用することで、研修の効果を高められます。また、スマートフォンから気軽に受講できると受講者の利便性が高まります。接客や自動車の整備をはじめとした業務内容を、印象的なアニメーションで伝えることで、研修の受講状況の改善につながっています。

eラーニングの主な導入効果

eラーニングを用いた教育施策ではどのような効果が期待できるのでしょうか。ここでは、eラーニングの主な導入効果をご紹介します。

人材育成のコストを削減できる

eラーニングでは、集合研修と比較して人材育成にかかるコストを削減できる可能性があります。例えば、集合研修で発生する会場のレンタル費、従業員の交通費、講師の報酬などの金銭的なコストを削減できます。また、人事部門が担当する研修会場の手配や従業員のスケジュール調整など、準備にかかる時間と手間を短縮することも可能です。

受講しやすい

eラーニングは従業員の学習機会を増やすことに貢献します。時間や場所を問わずにコンテンツを視聴できるので、業務中のスキマ時間を利用して柔軟に学びの機会を作れます。また、受講者が自分のペースで視聴を進める仕組みのため、能動的な学習を実現できる点もメリットです。企業内で自律的なキャリア形成ができる学習環境を提供できます。

教材の修正を簡単に行える

学習管理システムを活用すると、eラーニングのコンテンツを容易に修正できます。システム上でコンテンツを修正して一斉配信できるので、業務フローや社内ルールに変更が生じた場合も、簡単に全体共有が完了します。紙の研修資料とは異なり、修正後に再度印刷したり、手作業で訂正したりする手間がかかりません。

受講者に応じた教材を提供できる

eラーニングは受講者のレベルや目的に合わせてコンテンツを配信することが可能です。一人ひとりに適したコースを提供できるので、新入社員研修から管理職研修まで、幅広い場面で活用できます。さらに、学習管理システムによって個人の進捗状況や学習履歴を管理できるので、理解度に応じてフォローを行うといった個別の対応が可能です。

学習効果を向上できる

eラーニングのコンテンツは一定の期間中に何度も繰り返し視聴できます。反復学習に対応できるため、受講者は分からない部分や苦手な分野へ重点的に取り組むことが可能です。また、eラーニングでは企業の課題や最新のトレンドに合わせた多様なコンテンツが用意されています。従来の研修よりも学習効果を向上できる可能性があります。

eラーニングを導入する際の注意点

eラーニングの教育施策では、受講者のモチベーション維持などの観点で、いくつかのデメリットが懸念されます。導入する際は、以下のポイントに注意しておきましょう。

受講者のモチベーションが下がりやすい

eラーニングは自主的に学べる反面、強制力がないため、受講者のモチベーション維持が難しい場合があります。モチベーションが低下すると学習効果が薄れるおそれがあるので、導入後は適切な評価とフィードバックにより受講者を支援することが大切です。

実技の講習が難しい

eラーニングの学習は基本的には座学が中心となり、特定の実技の講習には適さない可能性があります。その場合は、対面での実習とeラーニングを組み合わせるなど、従業員に習得させたいスキルに適した研修方法を検討しましょう。

質の高いコンテンツが必要になる

eラーニングの研修効果はコンテンツの質に左右されるため、教材制作の内製化には専門的なスキルやノウハウが必要です。また、制作した既存コンテンツは定期的に最新の内容へ更新し、改善を繰り返すことが望ましいでしょう。社内で高品質な教材を作るのが難しい場合は、外部のeラーニング会社が提供するコンテンツを利用するようおすすめします。

eラーニングの導入効果を高める方法

最後に、eラーニングの導入効果を高める方法を解説します。自社の導入目的に応じてeラーニングを最大限に活用し、従業員の成長を支援しましょう。

eラーニングの目的を設定する

eラーニングサービスを導入する前に、自社の課題を明確にして導入目的を設定することが大切です。例えば「人材育成の工数削減」や「顧客対応品質の向上」といった目的に応じて、カリキュラムを設計していきましょう。

アウトプットの機会を用意する

eラーニングを実施した後は、従業員が学びを実践できる機会を用意しましょう。具体的には、従業員同士のディスカッションによって学んだ内容の理解をさらに深めたり、グループ学習で互いに学びを共有したりすると効果的です。

受講しやすい環境を整える

eラーニングの受講率を高めるために、事前に基本的な受講のルールを策定すると良いでしょう。受講の期日を設定したり、受講の進捗状況を可視化したりすることで、受講漏れが起こりにくくなります。

受講者のサポートを行う

管理者や人事担当者は、eラーニングシステムの機能で受講者の学習状況を定期的に確認して、進捗に応じたフォローアップを行いましょう。また、学習中に生じた疑問を解消するために、受講者からの質疑応答に対応することも大切です。

多様なコンテンツを用意する

eラーニングでは動画やテキストなどの形式を組み合わせたコンテンツ制作が可能です。自社の業務内容に最適なコンテンツを作成しましょう。あるいは、専門のeラーニング会社が販売する高品質なコンテンツを購入して組み合わせる方法もおすすめです。

各業界のeラーニング事例を参考に研修効果の改善をめざしましょう!

ここまで、eラーニングの導入事例12選のほか、導入効果や注意点、サービスの選び方などをお伝えしました。eラーニングは人材育成のコスト削減や学習効果向上に効果的です。ただし、業界・業種によっては従来の研修方法と組み合わせるなど、学習効果を高めるための工夫が求められます。自社に最適なeラーニングの運用方法を検討すると良いでしょう。eラーニングをはじめとした多様な研修形態を柔軟に導入するなら、NTT HumanEXへご相談ください。

NTT HumanEXでは、従来の研修形態からeラーニングまで、多彩な研修の選択肢をご用意しています。対面・オフラインの「集合研修」、オンライン完結の「eラーニング」、オンラインとオフラインを組み合わせた「ハイブリッド研修」のいずれにも対応可能です。ビジネスシーンで求められる豊富な研修テーマの中から、貴社の課題に応じてコンテンツを組み合わせることで、独自のカリキュラムを構築していただけます。研修を効率化する学習管理システムや学習コンテンツをお探しのご担当者様は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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