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職場の「心理的安全性」を高める方法は?低い職場のサインと改善策を解説

最終更新日:2026年6月30日

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「会議で特定のメンバーしか発言しない」「ミスやトラブルの報告が遅れる」など、職場のコミュニケーションにお悩みではありませんか?これらは職場の「心理的安全性」が低下している重要なサインかもしれません。

本記事では、職場の「心理的安全性」を高める方法を知りたい経営層や人事担当者に向けて、心理的安全性の正しい定義や、低い職場で生じるリスクを解説します。さらに、日常のコミュニケーションですぐに実践できる具体的な改善策から、組織全体の行動変容を促し従業員エンゲージメントを高めるステップまで網羅しました。

心理的安全性とは?

心理的安全性という言葉を耳にする機会が増えましたが、本質を正しく理解している人は意外と多くありません。ここでは、言葉の定義とよくある誤解について実務にもとづいた視点から解説します。

項目 心理的安全性が高い組織 現状維持志向の強い組織
目的 チームの学習と成果の最大化 対人関係の摩擦を避けること
意見の対立 建設的な議論として歓迎される 関係悪化を恐れて避けられる
失敗への対応 仕組みの改善機会として振り返る 追及を恐れて隠蔽されやすい
基準の高さ 達成したい目標や基準が高い 基準が低く現状維持に留まる

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メンバーが安心して意見や失敗を共有できる状態をさす

心理的安全性とは、組織の中で自分の考えや気持ちを率直に発言しても、人間関係が壊れたり罰せられたりしないと従業員が感じられる状態です。誰しも、自分の発言によって無知だと思われたり、能力が低いと評価されたりする不安を抱えていると考えられます。不安を取除き、自然体で業務に向き合える環境を作ることが、心理的安全性の第一歩と言えるでしょう。メンバーが安心して失敗を共有できるようになれば、隠蔽による大きなトラブルを防ぐことにもつながるはずです。組織全体のリスク管理という観点からも、重要な要素でしょう。

単なる居心地のよさではなく成果への責任が求められる

心理的安全性を高めることを、単に職場の人間関係を和やかにすることだと勘違いしてしまう企業も存在します。しかし、本来の心理的安全性は、目標達成や業務改善のために、立場の違いを超えて健全な意見の衝突ができる状態をさします。基準や目標が低く、ただ居心地がよいだけの環境は、いわゆる現状維持志向に陥っている可能性が高いと言えます。高いパフォーマンスを発揮するチームは、互いへのリスペクトを持ちながらも、仕事の質に対しては妥協しない姿勢を保つ傾向にあります。安心感と高い基準の両立こそが、成果を生み出す組織の条件なのです。

心理的安全性はどうやって計測する?

職場の心理的安全性は目に見えないため、正しく定量的に計測することが望ましいです。一般的には、心理的安全性の提唱者であるハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授が開発した「7つの質問」を用いたアンケート調査が広く活用されています。ここでは、具体的な質問内容と、客観的に数値を測定するための評価手順について詳しく解説します。

計測における重要なポイント 具体的な実施内容と目的
標準的な指標の活用 エドモンドソン教授の「7つの質問」を用いて組織の状態を可視化する
リッカート尺度での回答 5〜7段階の選択肢で回答してもらい、回答を数値化して平均値を算出する
定期的な定点観測 半年や1年といった一定の周期で実施し、施策の効果や変化を追跡する

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エドモンドソン教授が提唱する7つの質問

心理的安全性を測る基準として、以下の7つの質問項目に対する合意度を従業員に回答してもらいます。質問には「肯定的な質問」と、あえて逆の視点から尋ねる「否定的な質問(リバース項目)」が混ざっている点が特徴です。

  1. チームの中でミスを犯すと、たいてい責められる(否定質問)
  2. チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える(肯定質問)
  3. チームのメンバーは、異質なものを理由に他者を拒絶することがある(否定質問)
  4. チームに対して、リスクのある行動をとっても安全である(肯定質問)
  5. チームの他のメンバーに助けを求めることは難しい(否定質問)
  6. チーム内に、自分の努力を意図的に貶めるような行動をとる人はいない(肯定質問)
  7. チームのメンバーと仕事をするとき、自分の独特なスキルや才能が尊重され活かされている(肯定質問)

回答の数値化とスコアの算出方法

アンケートを実施する際は、各質問に対して「全くそう思わない」から「非常にそう思う」までの5段階、または7段階の選択肢(リッカート尺度)を設定します。集計時には、肯定的な質問はそのまま点数化し、否定的な質問は点数を反転させて計算するのが基本です。たとえば5点満点の場合、否定質問に対する「全くそう思わない(本来は1点)」を「5点」に置き換えて合計点を出します。全項目の平均値を算出することで、チームごとの心理的安全性を「見える化」し、課題のある組織を早期に特定できるようになるとされています。

定期的なサーベイ実施による定点観測

組織の風土や人間関係は、異動やプロジェクトの進捗、管理職のかかわり方によって日々変動するため、心理的安全性の計測は一度だけで終わらせず、定期的なサーベイとして継続することが推奨されます。半年に1回、あるいは四半期ごとに同じ質問で調査を行うことで、スコアの推移を追跡しましょう。高めるための研修や施策がどれだけ機能しているかを客観的に評価し、次の改善施策へつなげられる点も大きなメリットです。

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心理的安全性が低い職場で生じるサイン

心理的安全性が低い職場には、特徴的なサインが現れます。サインを認識することで、職場の問題を早期に発見し、改善に向けた対策を講じることができるでしょう。以下のような兆候がないか、日ごろから意識的に確認してみましょう。

会議で特定のメンバーしか発言せず沈黙が続く

会議や意見交換の場では、心理的安全性の高さが発言の活発さにつながるとされます。沈黙が常態化した組織では、チーム全体の多様な視点や創意工夫を活かす機会を失われるおそれがあります。意思決定の質が低下し、見落とされるべき重要な指摘や改善案が埋もれてしまう可能性があります。若手や少数派の声が届かない環境では、イノベーションの芽も摘まれやすくなります。

ミスやトラブルの報告が遅れ深刻化しやすい

失敗や過ちを報告することへの心理的なハードルが高いと、問題の報告が遅延しやすくなります。従業員が「報告したら責められるのではないか」という不安から、ミスの隠蔽や報告の遅延が発生すると、軽微な問題への初動対応が遅れ、重大なトラブルにつながる可能性があります。早期発見・早期対応が阻害される組織では、リスク管理能力そのものが低下しやすくなります。

若手が些細な疑問を相談できず孤立する

若手従業員や新人従業員は、成長段階で多くの疑問や不安を抱えています。しかし心理的安全性が低い環境では、「このような質問をするのは迷惑ではないか」「無知だと思われるのではないか」といった懸念から、些細な疑問でも相談しにくくなりがちです。適切なメンタリングやサポートを受けられず、誤った判断をしたり、業務理解が深まらぬまま業務を進めたりすることにつながりかねません。

既存のやり方に固執し新しい挑戦が生まれない

心理的安全性が低いと、従業員は現状の方法に対して疑問を唱えたり、新しい提案をしたりすることに躊躇する傾向にあります。「今のやり方に意見するのはよくない」といった暗黙のプレッシャーがあると、慣習や既存のやり方に対する改善案や革新的なアイデアが生まれにくくなります。競争が激化する市場環境では他社との差別化が難しくなり、組織の成長戦略の停滞や競争力の低下を招きかねません。

職場の心理的安全性を高めるメリット

沈黙や隠蔽といった負の連鎖を解消することは、単に職場の風通しをよくするだけでなく、組織が抱える本質的な課題解決につながる重要な取組みです。ここでは、心理的安全性が確保された職場において、具体的にどのようなメリットが得られるのかを3つの視点から解説します。

項目 組織にもたらされる具体的な効果
イノベーションの促進 活発な意見交換による新たなアイデアの創出、業務改善の加速
人材定着率の向上 若手の孤立防止、従業員エンゲージメント向上による離職防止
リスクの早期発見 ミスやトラブルの迅速な共有、重大なコンプライアンス違反の回避

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活発な意見交換によるイノベーションの創出

特定のメンバーしか発言しない会議や、前例踏襲を好む風土から脱却すると、多様なアイデアが生まれやすくなると考えられます。「自分の意見が一方的に否定されることはない」という安心感があるため、建設的な提案を行いやすくなる点も特徴です。役職や社歴にかかわらず、フラットに意見をぶつけ合える環境は、組織の思考停止や硬直化を防ぐ効果が期待できます。現場の実際の課題感にもとづいた新しい発想や業務改善案が創出され、企業の競争力を高めることにもつながるでしょう。

従業員の孤立を防ぎ離職率低下に貢献

心理的安全性が高い職場では、わからないことをいつでも気兼ねなく質問できるサポート体制が自然と築かれると言われています。互いに助け合う風土が育まれることで、従業員は「自分はこの組織に受け入れられている」と感じやすくなるでしょう。安心感は従業員エンゲージメント(会社に対する貢献意欲)を高め、優秀な人材の早期離職を防ぐ基盤になります。

ミスの迅速な共有によるトラブルの未然防止

ミスを報告した際に個人の責任が過度に追及されない環境は、確かなリスク管理体制の構築につながると考えられます。「問題や課題を報告しても、過度な責任追及を受けない環境が整っている」という前提があれば、従業員は本能的な隠蔽を避け、事実をありのままに伝えやすくなるはずです。小さな課題の段階でトラブルが共有され、上司やチーム全体で早期に解決策を講じやすくなります。報告の遅れによる問題の深刻化を防ぐことで、顧客からのクレームや損害賠償といった重大なリスクを未然に回避しやすくなる効果が期待できます。

日常のコミュニケーションで心理的安全性を高める方法

心理的安全性を高めるためには、大掛かりな制度改革を行う前に、日々の小さなコミュニケーションを変化させるのがおすすめです。ここでは、明日からすぐに実践できる具体的な取組みを紹介します。

取組み 期待できる効果
雑談の導入 発言への心理的ハードルを下げる
仕組みの振り返り 犯人探しを防ぎ前向きな改善を促す
Iメッセージの活用 相手の反発を招かずに要望を伝える
寄り添う姿勢 共感する姿勢でメンバーとの信頼を築く
自己開示 完璧でなくてもよいという安心感を与える

会議の冒頭に雑談を挟み発言のハードルを下げる

本題に入る前の数分間を利用して、業務とは関係のない雑談を取入れる方法です。週末の出来事や最近気になっているニュースなど、軽いテーマで全員が順番に一言ずつ話す時間を設けます。人は、一度声を出して発言すると、その後の議論でも意見を言いやすくなる心理的な特性を持つと言われています。会議の冒頭で全員が発言できる機会を作ることで、会議中の沈黙を防ぐ効果が期待できます。ただし、雑談を強要してプレッシャーを与えては逆効果です。あくまでリラックスした雰囲気で、発言を控える選択も尊重する柔軟な運営が重要です。

失敗を個人の責任にせずチームの学習機会として振り返る

ミスが発生したときに、「誰がやったのか」ではなく「なぜ起きたのか」に焦点を当てて振り返りを行いましょう。個人の能力や不注意を責めるのではなく、業務フローやチェック体制などの仕組みに問題がなかったかを分析します。「ミスをしても一緒に原因を考えてくれる」という信頼感が、心理的安全性を高めていくと考えられます。失敗は組織にとって貴重なデータでもあります。チーム全体で教訓を共有し、次の成功へとつなげる学習プロセスとして位置づける意識を持ちましょう。

「私」を主語にして相手を責めずに改善点を伝える

相手に行動の改善を促す際は、「Iメッセージ(私を主語にした伝え方)」を活用します。「(あなたは)なぜ期限を守らないのか」と相手を主語にすると、相手は責められていると感じて防衛的になりがちです。「期限を過ぎると、(私が)その後のスケジュール調整に困る」と自分の感情や状況を主語にして伝えると、相手の人格を否定することなく、事実と影響だけを客観的に届けられるでしょう。日常のフィードバックから意識して取入れることで、心理的な摩擦を減らすことができるはずです。

相手の感情や状況を察して寄り添う姿勢を意識する

部下からの相談を受けた際、すぐに解決策を提示するのではなく、まずは相手の感情に共感する姿勢を示します。「それは大変だったね」「不安に感じるのは当然だよ」と、相手の気持ちをそのまま受け止めることが重要です。正論やアドバイスは、時として相手を追い詰めてしまうこともあります。普段からメンバーの様子を観察し、元気がないときにはこちらから声をかけるなどの気配りも求められます。一人ひとりに寄り添う日々の積み重ねが、確かな信頼関係を築く土台となるのです。

管理職自身が自らの弱みや過去の失敗を自己開示する

リーダーが自分自身の失敗談や、現在悩んでいることをあえてメンバーに共有することもおすすめの手法です。「実は私も若い頃にこんなミスをして叱られた」といったエピソードを話すことで、心理的な距離が縮まる効果が期待できます。上司が自らの弱みや課題を率直に共有することで、メンバーは『完璧である必要はない』『わからないことは相談してよい』と感じやすくなり、安心して発言・相談できる環境づくりにつながります。ただし、ただ愚痴をこぼすだけではリーダーとしての信頼を損ないかねません。過去の失敗から何を学んだかという前向きなメッセージを添えて伝えることがポイントです。

組織全体の行動変容を促すための方法

管理職の努力だけでなく、組織全体で心理的安全性を高める仕組みを作ることも重要です。ここでは、組織開発の観点から有効な手段を解説します。

手段 具体的なアクション
状態の可視化 アンケートや診断ツールで現状の課題を数値化する
共通言語の浸透 全社研修を実施して考え方の基準を統一する
自分ごと化の促進 トップダウンだけでなく現場主導の改善活動を行う

ツールを用いて現状を客観的に数値で可視化する

組織の現状を正確に把握するために、定期的なサーベイや診断ツールを導入して心理的安全性の度合いを数値化しましょう。会議での発言のしやすさや、ミスを報告する際の抵抗感などを定量的に測ることで、部署ごとの課題が明確になるはずです。「うちの部署は風通しがよいはずだ」という思い込みに気づくきっかけにもなるでしょう。可視化されたデータは、評価のためのものではなく改善のためのツールとして扱うことが重要です。結果をチームに還元し、どこをどのように変えていくかをメンバーと一緒に考えるための対話の材料として活用します。

全社員研修で心理的安全性を共通言語化する

心理的安全性に関する研修を、管理職だけでなく一般のメンバーも含めた全社員で受講する機会を設けましょう。一部のリーダーだけが学んでも、周囲の理解がなければ組織に落としこみにくくなります。組織全体で同じ概念を共有し、共通言語として日常業務に浸透させることが、文化を変える近道になるはずです。研修では座学だけでなくロールプレイングなどを通じて実践的なスキルを磨くプログラムを取入れると、現場での行動変容につながりやすくなるでしょう。

心理的安全性・エンゲージメント向上を自分ごとに変える

心理的安全性の向上を人事部門や経営陣だけの責任にするのではなく、現場の従業員一人ひとりが自分たちの問題として捉えるように促します。職場をよくするためのアイデアを現場から募集し、実行を任せるなどもおすすめです。「会社が何かしてくれるのを待つ」という受け身の姿勢から、「自分たちで働きやすい環境を作る」という主体的な姿勢へと意識を転換してもらいましょう。変化には時間がかかりますが、現場発信の取組みを粘り強く支援し続けることが、揺るぎない組織風土を築く成功の鍵になるはずです。

「ココキビ」と「エンゲージメントビギンズ!」で実現する心理的安全性向上

職場の心理的安全性を高める方法として、何からはじめればよいか悩む企業は少なくないでしょう。そこでおすすめなのが、NTT HumanEXが提供するeラーニング「ココキビ」と「エンゲージメントビギンズ!」です。
心理的安全性を高める第一歩として、職場の状態や個人のコミュニケーション傾向を可視化することが重要となります。「ココキビ」は、心の機微(相手の気持ちを察する力)を診断・可視化し、一人ひとりの行動変容を促す動画型eラーニングと診断ツールです。自身のコミュニケーションの傾向を客観的に理解することで、お互いを尊重し合える安心感のある職場づくりを支援します。
さらに、職場全体にその意識を定着させるためにおすすめなのが動画型eラーニングコンテンツ「エンゲージメントビギンズ!」です。従業員、管理者、人事部門の三者がエンゲージメントを共通言語化し、全員が自分ごととして捉えるきっかけをつくります。アニメーションを用いた楽しい動画学習とワークを通じて、エンゲージメントの自分ごと化を促進、全社的な行動変容を強力に後押ししてくれるでしょう。
これら2つのソリューションを組み合わせることで、組織の現状把握から意識改革までをスムーズに進められるはずです。心理的安全性を高める具体的な方法として、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

この記事のポイントをまとめます。

  • 成果の最大化に向けて、誰もが安心して意見や失敗を共有できる環境の構築が重要
  • 会議での沈黙やミスの報告遅れといった、心理的安全性が低い職場のサインの把握
  • 定期的なサーベイを用いた、組織の現状の定量的な可視化と定点観測
  • 雑談の導入や失敗を仕組みで振り返るなど、日々のコミュニケーションの改善が鍵
  • 全社員研修の実施による、組織全体での心理的安全性の共通言語化を実施

まずは日常のコミュニケーションを見直し、メンバー全員が安心して発言できる組織への一歩を踏み出しましょう。

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