コラム

eラーニングとは?オンライン研修との違いやメリット・デメリット、システムの選び方

本記事では、 従来の対面研修にかかるコストや手間に課題を感じ、新しい学習方法の導入を検討している方に向けて、eラーニングの仕組み、オンライン研修との違いや、企業側および学習者側それぞれのメリットとデメリットをお伝えします。読み終わる頃には、自社に最適な研修スタイルを選択し、学習効率の高い教育環境を構築できるようになるでしょう。

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eラーニングとは?

社内研修の見直しを検討する際に候補に挙がるのがeラーニングです。まずは、その特徴を改めて整理しておきましょう。ここでは、eラーニングがどのような学習手法なのかを基本的な定義から解説します。

【関連記事】eラーニングでの学習を成果に繋げるには?教材見直しのポイントを紹介! | NTT ExCパートナー
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デジタル機器を活用した学習をさす

eラーニングとは、インターネットとパソコンやスマートフォンなどのデジタル機器を活用して行う学習手法です。過去にはCD-ROMなどをパソコンに読み込ませて学ぶ形式もありましたが、現在ではクラウド上のシステムにアクセスして学習するスタイルが主流となっています。ネットワークを通じて教材を配信するため、学習者は比較的場所の制約を受けずに学ぶことができます。会社のデスクにあるパソコンから社内システムにログインして研修を受講したり、出張先のホテルでタブレット端末を開いて業務マニュアルの動画を視聴したりすることが可能なのです。この手軽さが、多くの企業に支持されている大きな理由と言えるでしょう。

自分のペースで進められる

eラーニングのもう一つの大きな特徴は、学習者が自分のペースで学習を進められる点にあります。あらかじめ用意された教材にアクセスして学ぶため、講師の進行スピードに合わせる必要がありません。理解が早い人は先へ進み、じっくり学びたい人は一時停止を活用しながら学習できるのです。新しいシステムの操作方法を学ぶ際、すでに似たようなシステムを使った経験がある人は説明動画を倍速で視聴して時間を短縮することもできます。

学習者視点の主な目的

学習者側にとっては、eラーニングを通じて業務で役立つ知識・スキルを身につけるという目的があります。eラーニングによる学習に取組むことで、スキルアップやキャリアアップを実現できるでしょう。

企業視点の主な目的

企業側には、eラーニングを導入して、従業員の学習機会を増やして知識付与やスキル向上をサポートし、業務で活躍できる人材を育成するという目的があります。従業員が学習しやすい環境を整備しましょう。

eラーニングの歴史

eラーニングは、1950年代に登場した「CAI(Computer Assisted Instruction)」という考え方からはじまったとされています。CAIを発端として、コンピューターによる教育支援の研究が徐々に発展していきました。その後、ネットワークインフラが普及して「eラーニング」という言葉が定着しはじめたのは、2000年代頃のことです。以降は技術の進歩に伴い、CD-ROMを利用した学習からオンライン学習へと切り替わっていき、現在のような学習スタイルになりました。

eラーニングが発展した経緯などの歴史について、詳しくは以下の関連記事で解説しています。

【関連記事】企業の人材育成に欠かせないeラーニング 発展の経緯と今後 | 社員のエンゲージメント向上を支援する 株式会社 NTT HumanEX

eラーニングとオンライン研修の違いとは?

デジタル機器を使った学習方法として、eラーニングと並んでよく耳にするのが「オンライン研修」です。両者は混同されがちですが、実施の仕組みや適している場面に違いがあります。目的に合わせて最適な手法を選ぶために、違いを正しく理解しておきましょう。

比較項目 eラーニング オンライン研修
実施のタイミング 非同期型(いつでも受講可能) 同期型(リアルタイムで実施)
双方向のやり取り 基本的にない(自己完結型) ある(質疑応答やグループワークが可能)
適している学習内容 知識のインプット、社内規則の周知 意見交換、ロールプレイング、実技指導

オンライン研修は同時参加型で学ぶ

オンライン研修は、ZoomやMicrosoft TeamsなどのWeb会議システムを利用し、講師と受講者がリアルタイムでつながる「同期型」の学習手法です。離れた場所からでも、同じ日時に集まって学習を進めます。実際の教室で行う集合研修を、そのままインターネット空間に移動させたものと考えるとわかりやすいでしょう。受講者同士や講師との双方向でコミュニケーションが取れるのが大きな強みです。

eラーニングは時間を合わせる必要のない非同期型で学ぶ

対して、eラーニングは講師と学習者が時間を合わせる必要がない「非同期型」の学習手法です。あらかじめ録画された動画や作成されたテキスト教材がシステム上にアップロードされており、学習者は自分の都合のよいタイミングでそれにアクセスして学びます。その場ですぐに質問をして回答を得るといったリアルタイムのやり取りは発生しません。情報の伝達は一方向で行われるため、知識のインプットに特化した手法であると言えます。個人のスケジュールを優先させたい場合や、同じ内容を大人数に正確に伝えたい場合には、eラーニングがおすすめです。

企業がeラーニングを導入するメリット

企業の人事や人材育成の担当者にとって、eラーニングの導入はこれまでの研修運営に存在した多くの悩みを解決する手段になります。コストの削減から管理業務の効率化まで、組織にはさまざまなメリットがあるのです。ここでは、企業側の視点から見た具体的なメリットを解説します。

企業側のメリット 従来の研修で抱えていた課題 導入後に期待できる効果
運営コストの削減 会場費
講師の交通費、宿泊費の負担
一度教材を作れば追加の開催費用が軽減される
進捗の一元管理 受講状況の確認やテスト採点の手間 システム上で全員の成績や受講履歴を自動集計できる
教育品質の均一化 講師によって教え方に差が出る 誰がいつ受講しても同じ品質の知識を提供できる

メリット1:研修の運営コストを削減できる

企業がeラーニングを導入する大きな利点として、研修運営にかかるコスト削減が挙げられます。対面での集合研修を実施する場合、広い会議室や外部の会場を借りる費用、遠方から参加する従業員の交通費や宿泊費、さらには講師への謝礼など、経費が発生します。しかし、eラーニングであればこれらの物理的な制約に伴うコストを省くことができます。そして、一度教材を制作してシステムに掲載すれば、何度でも繰り返し利用できます。長期的な視点で見ると、教育投資の費用対効果は高まると考えられるでしょう。

メリット2:学習進捗や成績を一元管理できる

受講者の学習状況をシステム上で一元管理できる点も、教育効果の可視化の観点で大きなメリットと言えます。eラーニングを導入するためのシステム(LMS:学習管理システム)を活用すれば、誰がどこまで動画を視聴したか、確認テストで何点を取ったかというデータをリアルタイムに把握できます。紙のテストを採点したり、出席簿をエクセルで管理したりするアナログな業務はなくなるため、人事や育成担当者の業務負担を減らしながら、細かな受講フォローも可能となるのです。効率的な管理体制は、研修の受講率向上に直結するでしょう。

【関連記事】研修の効果測定とは?カークパトリックモデルについても解説|お役立ち情報|NTT ExCパートナー
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メリット3:教育の品質を一定に保つことができる

eラーニングの利用で、すべての受講者に一定の品質で教育を提供できることも重要なメリットです。人が教える対面研修では、登壇する講師のスキル、あるいは参加する受講者の反応によって、伝わる内容や熱量に違いが生じてしまいます。デジタル教材であればそのような属人的なばらつきを排除できるのです。伝えるべき知識を標準化し、組織全体に均質に行き渡らせる上で、非常に有効な手段となるはずです。

企業がeラーニングを導入するデメリット

多くのメリットがある一方、eラーニングの導入ですべての課題が解決するわけではありません。導入成功のためには、企業側のリスクや、向いていない場面があることを事前に理解しておく必要があります。ここでは、検討時に把握しておきたいデメリットを解説します。

デメリット1:初期費用や制作コストがかかる

eラーニングをスタートさせるにあたり、初期段階で必ず一定の費用や労力がかかります。学習を配信・管理するためのシステム利用料に加えて、自社の業務に特化したオリジナルの教材を制作する場合は、動画の撮影や編集、スライドの作成にまとまったコストや時間がかかります。長期的なコスト削減効果があるとはいえ、導入のハードルになる可能性が高いでしょう。たとえば、専門的な機器のメンテナンス手順を動画教材にするために、外部の映像制作会社に撮影と編集を依頼する場合は、内容により数百万円の費用が発生するようなケースも存在します。特に、最初から自社オリジナルの内容も含むすべての研修をeラーニング化しようとすると、予算も現場の負担も増加してしまう点には注意が必要です。まずは汎用的な教材を利用したり、スマートフォンで手軽に撮影した動画からスモールスタートしてみるのがおすすめです。

デメリット2:実技や対話型の研修には向かない

eラーニングの特性上、体を使って覚える実技研修や、他者とのコミュニケーションを必要とする対話型の研修にはあまり向いていません。画面越しに知識を得ることはできても、接客時の微妙な表情の作り方や、機械のボルトを締める際の力加減といったスキルは、デジタル教材だけで習得を完結させるのは困難だと言えるでしょう。インプットには適していても、アウトプットを通じてスキルを定着させる用途には、場合によって不向きなケースがあるのです。実践的なスキルを身につけさせる場合は、対面研修や現場でのOJTによるフォローも併用することが適しています。

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学習者にとってのeラーニングのメリット

ここまでは企業側の視点で見てきましたが、研修を実際に受講する従業員にとってもeラーニングは利便性の高い学習スタイルです。働き方が多様化する現代において、学習者のライフスタイルに寄り添える点は大きな魅力と言えます。学習者側の視点からメリットを深掘りしていきましょう。

学習者側のメリット 従来の研修での不満 eラーニングでの解決策
時間の有効活用 業務を中断して研修に参加しなければならない 通勤時間や休憩中などのすき間時間で学習できる
反復学習のしやすさ 一度聞き逃した箇所を後から確認することが難しいケースもある わからない箇所を何度も繰り返し視聴できる
場所の自由度 遠方の研修会場まで移動を要するケースもある リモートワーク時の自宅やサテライトオフィス、出張先の別拠点など、業務に応じた環境で学べる

メリット1:すき間時間を有効に活用できる

学習者にとって最大のメリットは、日々の業務の合間や移動中などの「すき間時間」を使って学習を進められることです。多くのeラーニング教材は数分から十数分程度の短いチャプターに区切られており、まとまった時間が取れなくても少しずつ知識を吸収できる設計になっています。忙しいビジネスパーソンにとって、学習のハードルを大きく下げる要因となるでしょう。業務を長時間停止する必要がないため、生産性を落とさずにスキルアップを図ることができるでしょう。

メリット2:苦手な箇所を反復学習できる

一度の講義で理解できなかった箇所を、自分の納得がいくまで反復学習できる点も学習者にとって大きなメリットです。対面研修では、他の受講者の手前、初歩的な質問をためらってしまったり、聞き逃した部分をそのままにしてしまったりすることもあるでしょう。デジタル教材であれば何度でも巻き戻して学習し直すことが可能です。他人の目を気にすることなく、自分が理解に至っていない点をピンポイントで補強できるため、確実な知識の定着を後押ししてくれるはずです。

メリット3:場所を選ばず学習できる

インターネット環境と端末さえあれば、自宅や出張先のオフィスなど、業務状況に応じて場所で学習を進められる点も大きな魅力です。従来の集合研修では、指定された日時に特定の会場へ足を運ぶ必要があり、従業員にとっては移動や時間が負担となるケースもありました。eラーニングであれば、会場に足を運ぶ必要性がないため、リモートワーク中や遠方の拠点の従業員もスムーズに受講できます。こうした物理的な制約から解放され、自分が最も集中しやすい環境を選べるのです。場所の自由度が高まることで学習への心理的なハードルが下がり、継続的な自己研鑽につながりやすくなるでしょう。

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学習者にとってのeラーニングのデメリット

自由度が高く便利なeラーニングですが、学習者の自己管理能力が問われる側面もあります。システムを用意して受講を促すだけでは、最後まで学習できない従業員が出てくる可能性があります。どのような部分につまずきやすいのか、デメリットを解説します。

学習者側のデメリット 学習中に発生する課題 企業側がサポートしたい点
モチベーションの低下 いつでもできると考えて受講を後回しにしてしまう 学習の目的を伝え、適切な期限を設定する
疑問解決の遅れ わからない言葉が出てもすぐに質問できる人がいない 質問用の掲示板やチャット窓口を設置する
孤独感の増加 一人で画面に向かうため学習促進の刺激が得られない 社内で学習の進捗を共有する場を設ける

デメリット1:モチベーションの維持が難しい

いつでも自由に学べるというメリットは、裏を返せば「モチベーションの維持が難しい」というデメリットにもなり得ます。つい日々の業務を優先して学習を後回しにしてしまうことも考えられます。「明日やればいい」という先送りが続き、結局期限ギリギリになって画面を流し見するだけになるリスクもゼロではありません。企業側は、なぜその学習が必要なのかという動機付けを丁寧に行う必要があります。

デメリット2:その場で疑問を解決しにくい

学習を進める中でわからないことが出てきた際、その場ですぐに疑問を解決しにくい点も学習者のストレスとなるでしょう。対面研修であればその場で講師に質問したり、隣の席の同僚に確認したりできますが、自己完結型のeラーニングでは実施できません。疑問が解消されないまま学習を進めると、内容の理解が浅くなってしまう可能性があります。システム内に質問を投稿できるチャット機能を用意するなど、疑問をすぐに解消できるフォロー体制を構築するのがおすすめです。

eラーニングの実施方法と必要なもの

eラーニングで社内研修を実施する場合、企業側は以下のサービス・機器・人材を確保する必要があります。運用へ向けて必要なものを確認してみましょう。

eラーニングシステム(学習管理システム)

eラーニングシステム(学習管理システム)は、教材制作から進捗管理まで幅広い業務に対応可能で、システム上で研修にかかわる資料や情報をまとめて管理できます。個別に管理すると多くの手間がかかり、研修担当者の業務が煩雑になりやすいので、学習データはeラーニングシステムで管理するのがおすすめです。

教材

eラーニングを実施するには学習コンテンツが必要です。教材の種類は「スライド教材」「動画教材」「テキスト教材」など、さまざまな種類があります。教材は内製する以外に、外部のサービス提供会社から導入が可能です。自社の業種や業界、目的に適した教材を用意しましょう。

メンター(学習支援者)

eラーニングで研修を実施する場合、サポート役であるメンター(学習支援者・学習アドバイザー・チューターとも呼ばれる)を配置するのが有効です。メンターは学習者の疑問や質問を解消して学びを支援したり、学習者にフィードバックを行ってモチベーション向上に寄与したりする役割があります。

端末

eラーニングで学習するには、パソコン・スマートフォン・タブレットなどの端末が必須です。可能であれば、企業側が従業員に端末を配布して必要な機器を貸し出すのが望ましいでしょう。または、個人の端末でeラーニングを受講できるように権限やアカウントを付与するのも一つの方法です。

eラーニングで選べる学習方法の種類

一口にeラーニングと言っても、学習者に提供される教材の見せ方にはいくつかの種類があります。研修のテーマや受講者の働く環境に合わせた最適な形式選びが、学習効果を高めるための重要なポイントです。ここでは、代表的な教材の種類を紹介します。

教材の種類 コンテンツの特徴 適している学習テーマ例
動画配信型 講師の解説や現場の様子を映像と言葉で伝える 社長メッセージ
接客マニュアル
機械の操作手順
スライド型 テキストと図解を中心に自分のペースで読み進める 就業規則の確認
コンプライアンス知識のインプット
マイクロ学習 数分単位の短いコンテンツに要点を絞って提供する 営業トークのコツ
新商品のワンポイント解説

講義を視聴する「動画配信型」

現在広く活用されているのが、講義の様子や現場の作業手順を映像と音声で伝える「動画配信型」の教材です。視覚と聴覚の両方から情報が入ってくるため、文章だけでは伝わりにくいニュアンスや動きを直感的に理解しやすいのが特徴です。現場のリアルな雰囲気をそのまま届けられるため、感情に訴えかけるような内容や複雑な動きを伴うスキルの解説には、動画配信型がおすすめと言えます。

資料を読み進める「スライド型」

PowerPointなどで作成された資料を画面上に表示し、学習者が自分のペースでクリックしながら読み進めていくのが「スライド型」の教材です。動画のように時間が拘束されず、文字や図解をじっくりと読み込めるため、論理的な内容を正確に理解させたい場合に向いています。テキストベースであるため、法改正などに伴う内容の修正が容易である点も特徴です。音声が出せない環境で学習する場合にも、スライド型であれば問題なく受講を進められます。

短時間で学ぶ「マイクロ学習」

近年注目を集めているのが、1つのコンテンツを3分から5分程度の非常に短い時間に区切って提供する「マイクロ学習」と呼ばれる種類です。要点が短くまとめてあり、学習者の集中力が途切れにくく、記憶に定着しやすいというメリットがあります。スマートフォンの普及により、移動中などのすき間時間を活用した学習スタイルと非常に相性がよい手法と言えるでしょう。長時間の学習を負担に感じる従業員でも、マイクロ学習であれば無理なく継続できる可能性もあります。日々の業務に追われる現場の従業員向けに、知識のアップデートを促す手法としておすすめです。

eラーニングを選ぶ際に気をつけたいポイント

近年は、数多くのサービス提供会社がeラーニングシステムを提供しています。自社の目標や予算に合わせて適切なeラーニングシステムを選定し、教育効果を高めましょう。ここでは、導入効果を高めるために企業が判断・検討したいポイントを解説します。

長期的な目標に沿ったシステムか

eラーニングシステムを導入するなら、自社の長期的な目標に合わせて運用できるものが望ましいです。目標を設定する際は、企業理念やビジョンから逆算して、どのような従業員を育成したいか検討するとよいでしょう。長期的な視点に立って目標達成に適したシステムを選ぶことが大切です。

予算に合うか

eラーニングシステムの導入時には、初期費用や月額費用などのコストが発生します。各社のシステムを比較するときは、単に金額を比べるだけでなく、教育研修によってもたらされる効果を重視しましょう。予算の範囲内で目標達成を実現できる費用対効果の高いシステムを選ぶのがおすすめです。

学習の管理がしやすいか

eラーニングシステムには、管理者が受講者の進捗状況を把握できる仕組みがあると便利です。管理機能によって社内の情報を一元管理すると、進捗管理が効率化され、適切なフォローをスムーズに行えるようになります。

学習の成果を評価する仕組みがあるか

eラーニングシステムによっては、単元ごとの「理解度テスト」や全体の「修了テスト」のような、学習の成果を評価する機能が搭載されています。受講者の習熟度を確認して研修の効果測定を行うためにも、成果を評価する仕組みがあるとよいでしょう。

受講者が使いやすいか

eラーニングシステムは主に受講者が操作します。そのため、モチベーション維持の観点から、受講者にとって使い方がわかりやすく、ストレスなく操作できるシステムを選ぶ必要があります。管理者側の使い勝手だけでなく、受講者側の使用感にも配慮しましょう。

サポート体制が充実しているか

はじめてeラーニングシステムを導入する場合は、操作方法や活用方法に戸惑うこともあるでしょう。疑問点をすぐに解消できるように「速やかに問い合わせができる」「操作マニュアルが用意してある」といったような、サポート体制の充実したサービスを選ぶと安心です。

ユーザー制限やセキュリティなど、必要な機能が整っているか

社員研修に用いるeラーニングシステムでは、セキュリティ対策も重要です。自社の研修内容や従業員の個人情報を守るため、ユーザー別のアクセス制限をはじめとしたセキュリティ対策機能の有無も確認しておきましょう。

知識のインプットだけでなくマインド醸成もできるか

eラーニングコンテンツを選ぶなら、受講者が知識をインプットするだけでなく、マインドを醸成し組織に浸透できるかどうかを重視しましょう。従業員の“自分ごと化”を促進できるコンテンツを採用するのがコツです。

リアルな事例でイメージしやすいかどうか

研修後に受講者が学んだ内容を業務へ活かせるよう、リアルで実践的なケースから学べるeラーニングコンテンツがおすすめです。特にコンプライアンス研修のような場面では、日頃の業務で起こり得る違反のリスクを学ぶために、リアルな事例を題材として扱ったコンテンツがおすすめです。

アウトプットできる仕組みや仕掛けがあるか

受講者がアウトプットできる仕組みや仕掛けがあるeラーニングコンテンツであれば、受講者が自ら考える力を育むことができます。受講者が受け身で動画を見るだけでなく、積極的に学んで発信ができるように設計された学習コンテンツを導入できるとよいでしょう。

近年のeラーニングのトレンド

eラーニングでの学び方は、技術の向上やニーズの変化を受けて常に変化しています。最新のトレンドを押さえてeラーニングでの学習環境を構築しましょう。

体験するタイプの教材が増えてきている

近年は、体験を通じて学べる具体的な場面を想定したロールプレイング型や、臨場感や没入感の高いVRなどのタイプの教材が充実しています。座学だけでなく、学習効果を高められる体験型教材も選ぶとよいでしょう。

アクティブラーニングにシフトしつつある

アクティブラーニングとは、受講者が能動的に学習できるように設計された学習方法です。知識を身につけるとともに、アウトプットを促す設問が用意されています。主体性のある従業員を育成するために活用してみましょう。

マイクロラーニングの活用が進んでいる

マイクロラーニングとは、数分程度で完了する短時間の学習をさします。eラーニングでも、数分で視聴できる短時間の動画コンテンツや簡単な理解度テストのような、すき間時間に受講できる教材が充実しています。受講者の負担軽減にも役立つため、積極的に活用するのがおすすめです。

eラーニングに関するよくある質問

効率的な従業員教育として注目されるeラーニングですが、導入にあたり共通する疑問点がいくつか存在します。ここでは、知っておきたい基本情報をQ&A形式で解説します。人事部門の研修担当者・教育担当者の方は、ぜひチェックしてみてください。

Q1.オンライン研修とeラーニングの違いは?

オンライン研修とは、ミーティングツール(Web会議ツール)などを使用して、オンライン上で実施される研修です。研修講師や他の受講者とリアルタイムでコミュニケーションを取りながら学習します。対して、eラーニングは事前に準備された教材コンテンツをパソコンやモバイル端末から視聴して、自分のペースで学習するのが特徴です。どちらもオンライン上で受講する点は共通しているものの、他の人と一緒にリアルタイムで学ぶか、自分のペースで学ぶかに大きな違いがあります

Q2.eラーニングを企業が取入れるのは義務?

eラーニングの実施は、あくまで各企業の判断に委ねられており、義務ではありません。ただし、近年はeラーニングが効果的かつ効率的な研修の手法として注目され、多くの企業で導入が進められています。社員研修の課題を解決するために、eラーニングの導入を検討してみてはいかがでしょう

Q3.eラーニングは勤務時間に含まれる?

企業が受講を義務づけた場合は、一般的に勤務時間に含まれると考えられます。企業側はeラーニングの受講時間を明確に管理し、勤務時間に含めて対応する必要があるのです。一方、従業員が自主的に受講する場合は、一般的には勤務時間に含まれないことが多いです。

参考:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン等(脳・心臓疾患・精神障害の労災認定における労働時間認定Q&A)」

Q4.eラーニングの普及率は?

独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する「J-Net21」の調査データによると、2023年に20代以上の男女1,000人を対象に実施したeラーニングの利用実態では、eラーニングを「まだ一度も利用したことがない」という回答が最多で70.8%という結果になりました。一方、「かつて利用したことがある」という回答は14.8%を占め、週に数回~年に数回の定期的な利用者は合計14.4%に達しています。今後eラーニングを利用したいと回答した層は合計26.1%でした。記述式自由回答欄では「機会があれば利用を検討する」という声が少なからず見られるため、今後さらに普及率が高まる可能性があると期待されています。

【出典】「市場調査データ eラーニング」(J-Net21)
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まとめ

この記事のポイントをまとめます。

  • eラーニングは、インターネットと端末を使い、場所を選ばず自分のペースで学べる研修方法である。
  • オンライン研修は同時参加の形式で双方向のやり取りができ、eラーニングは非同期で知識の周知に向いている。
  • 企業側は運営コスト削減や受講状況の一元管理、教育品質の標準化が期待できる。
  • 学習者側はすき間時間の活用や反復学習がしやすい一方、継続の難しさや質問のしにくさが課題。
  • 導入効果を高めるには、実務の事例でイメージでき、考える時間や確認テストなどアウトプットが仕組み化された教材を選ぶことがポイント。

自社の研修目的と対象者を整理したうえで、eラーニングとオンライン研修を適切に組み合わせ、定着まで見据えた運用にぜひ本記事をご活用ください。

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